近年IVCフィルターを取り扱ってるメーカーさんが国内の販売から撤退していき、オプトイーズやALNのメインで使用していたユーザーも撤退のあおりで旧:メディコン 現:日本ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson:BD)の販売する『DENALI(デナリ)IVCフィルター』の使用がメインになってきております。
そこでメディコン社が販売するIVCフィルター『DENALI(デナリ)IVCフィルター』についてオススメの使用方法と製品詳細について解説したいと思います。
DENALI保険償還価格と分類
DENALI IVCフィルター
血管内手術用カテーテル 下大静脈留置フィルターセット 特殊型
償還価格:¥170,000
医事コード:710011015
製品の紹介
販売メーカー
旧:メディコン 現:日本ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson:BD)
製品名
DENALI IVCフィルター(大腿静脈アプローチ用)
DENALI IVCフィルター(頸静脈/鎖骨下静脈アプローチ用)
製品詳細
デリバリー用の付属シース

大腿静脈アプローチ用と頸静脈/鎖骨下静脈アプローチ用ではシースの色とマーカーの位置が違います。
大腿静脈アプローチ用ではシャフトの色が緑色になっております。そして、マーカーが先端より手前にあり、デリバリー時に回収用フックの位置が確認しやすくなっております。
頸静脈/鎖骨下静脈アプローチ用ではシャフトの色が白色になっております。そして、こちらはシースの先端までマーカーがあります。
フィルター本体

大腿静脈アプローチ用と頸静脈/鎖骨下静脈アプローチ用のどちらからデリバリーしても上記のような向きで留置になります。
回収用のフックが上向きになり、この回収用フックが腎静脈から約1cm下に留置する事が目安になります。
フィルター回収時は頸静脈から専用の回収スネアキットを使用してフィルター抜去をします
使用方法
ここからは私のオススメの使用方法を載せていきます。
シース挿入
準備する道具
- DENALIジャグラー or フェモラルアプローチ用
- 18Gの穿刺針(ダイレーション目的で別のシースを使用する際は必要なし)
- 0.035” 150cm程のガイドワイヤー
- 留置位置の目安になるのでX線不透過のメジャーがあると良い
- ※¹ 8Frショートシース or 8Frダイレーター
※¹ DENALIのシースの外径が3.4mm(10.3Fr)の為

シースの太さについてはこちらを参照してください↓

DENALI用シースセットの切れが悪いので、事前にしっかりダイレーションするという意味で8Frがオススメ
穿刺
- DENALI付属シースのポートからフラッシュ
- DENALI付属シースへダイレーター装着し、しっかり接続しロックする
- ダイレーターの後端からフラッシュ
- 18Gの穿刺針を使用して穿刺(別のシース使用時はシース付属の穿刺針を使用)
- 穿刺できたら0.035”150cm程度のワイヤーを通して8Frシース or 8Frダイレーターを挿入
- 0.035”ワイヤーを残したまま8Frシース or 8Frダイレーターを抜去する
- 0.035”ワイヤーにDENALI用のシース+ダイレーターを挿入
シース挿入の完了

フィルター留置
腎静脈の確認造影
- 付属のダイレータ or 付属シースの先端から or 造影カテPIGテールで造影
- 造影で腎静脈の位置を確認し、留置部の確認
付属のシースからの造影でも腎静脈の確認はできるので、付属のシースからの造影がオススメ
IVCフィルターのデリバリー
- フィルターの入ったストレージチューブの安全キャップ(赤色)を外す
- 付属シースへストレージチューブをしっかり接続しロックする
- シースとプッシャーを直線状に把持しプッシャーを押してシース内にフィルターを挿入していく
- プッシャーのマーカーが見える位置にあればまだシース内です
- プッシャーのマーカーをストレージチューブギリギリまで挿入
- シースの先端までフィルター本体が来たことを透視で確認


位置決め
フィルター本体の上端に回収用のフックがあります。回収用のフックが腎静脈の1cm程度下にくるようにシースを出し入れして位置調整します
フィルター留置
- 位置が決まったら右手でプッシャーをしっかり把持して固定する
- 右手はプッシャー固定、左手でストレージチューブを持ちシースごと引く
- フィルターがシースから展開されれば手技終了
- シースから留置後の造影を撮影して、シース抜去で完了
これでフィルター留置完了になります。
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